体内にある酵素は、消化酵素と代謝酵素の2種類に分かれています。
この2つ、それぞれで働き方が違うのですが、何がどう違うのかというのはあまり知られていません。
そこで今回は、そんな酵素の働きをクローズアップしていきましょう!
パッと見るための目次
ご飯を食べると消化酵素が減る
私たちがご飯を食べると、まず胃で消化されます。
そのときに消化や分解をサポートしてくれるのが消化酵素です。
食べた食物を細かく分解して、栄養を吸収しやすくしてくれるのですね。
ただし、消化に使われたぶんだけ酵素は減っていきます。
そもそも消化酵素ってなに?
- 炭水化物分解酵素(アミラーゼ)
- タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)
- 脂肪分解酵素(リパーゼ)
消化酵素というのは上記3つの総称で、細かくいうとこんな感じになります。
お米をずっと噛んでいると口の中で甘くなってくるのは有名ですが、あれは唾液に含まれている消化酵素(アミラーゼ)によってデンプンが麦芽糖(マルトース)に分解されるので甘くなってしまうんですよ。
【余談ですが】
糖質制限のときに炭水化物も摂っちゃダメっていわれているのは、デンプンが糖に分解されて変わるからなのです。
体内で作られる酵素の量は決まっている
消化酵素はご飯を食べるたびに使われて減っていきます。
ですが、使われなかった酵素はどこにいくのでしょうか?
あまった余分な酵素は、代謝酵素に変換されて使われます。
代謝というとダイエットに必要不可欠なもの。
なので消化酵素をなるべく使わないのがダイエット成功への近道なのです。
代謝酵素ってどういう働きをするの?
代謝酵素は、消化酵素と違って万能です。
- 体内細胞を作る
- ホルモンバランスを整える
- 神経の働きを正常化する
- 毒素を体外に排出する
- 自己治癒能力を高める
- 免疫力を高める
代謝というのは生きるために必要な人間の生理現象のことです。
呼吸をしたり、カラダを動かしたり、汗をかいたり、髪の毛や肌など新しい細胞を作ったりと、代謝酵素を使うポイントはたくさんあります。
消化酵素を使わないのがダイエットのコツなの?
体内で作られる酵素をなるべく代謝酵素に回すようにすれば、美肌やダイエットへの期待が高まります。
ということは、摂取カロリーを制限するという意味でも、消化酵素を節約するという意味でも、食べるものを減らすのがダイエットのコツになるわけですね。
ダイエットには色々な要素が絡んでいて複雑ですが、酵素栄養学からみても、食事制限は有効なのです。
あとは、消化の負担が少ない食事に変えていくのもいいと思います。
中華では朝ごはんにおかゆを食べたりしますが、とても理にかなった食事法なんですよ。
酵素は増えないの?
- 酵素が含まれているものを食べる
- 酵素を増やすための食事をする
体内酵素を増やすためには、このように2つの方法があるとされています。
①酵素が含まれているものを食べる
まずは「食事から酵素を摂る」という方法です。
体内酵素は消化酵素と代謝酵素の2種類だけでしたが、ほかにも食物酵素という3つ目の酵素があります。
パイナップルやダイコンに漬けるとお肉が柔らかくなるのは、食物に含まれている酵素の力を使っているんですね。
酵素はタンパク質の一種なので40℃以上の熱を加えると壊れてしまいます。
なので、基本的には生野菜など生のものを食べることで酵素を補充できると考えられています。
ただしこの方法は懐疑的で、「胃液によって酵素が変性してしまうため、食物酵素を体内に取り入れるのは難しいのではないか?」といわれています。
②酵素を増やすための食事をする
こちらが現在主流の「食事によって体内酵素を増やす方法」です。
①に書いた食物酵素を直接取り入れる方法と食べるものは似ていますが、考え方が違います。
生のものだけをメインにしないのが大きく違う点ですね。
- 納豆、味噌などの発酵食品
- 穀物
- ヨーグルトなどの乳製品
- 野菜、果物
発酵食品や、乳酸菌や食物繊維などを取り入れることによって腸内細菌のバランスを整え、体内酵素を増やしていくのが目的です。
酵素が関係なくてもカラダに良い物ばかりなので積極的に食べるようにしたいですね。
体内酵素は加齢によって減っていく
残念なことに、体内で作り出せる酵素の量というのは年を取るごとに年々減っていきます。
「若い頃はこんなに太ってなかったのに・・・。」
というのは体内酵素の量が減ってしまって、代謝に回す酵素が足りなくなっているからかもしれませんよ。
まとめ
じつは、いまだに酵素学というのは発展途上です。
おかげで色々なところで適当な情報が散乱しています。
実際に「酵素が増える食べ物」といってもカラダに悪いものではなく、むしろ有益なものなのでドンドン食べて欲しいのですが、その一方で酵素だけの力で痩せたり体調が良くなったりするものではない、ということを覚えておいて欲しいです。
なにごともバランスが大事ですね。